秋のお彼岸会


心こそ 心迷わす心なれ 心に心 心ゆるすな  (沢庵)

 

 自分の心なのに、うまく心をコントロールできず、逆にこの心からコントロールされてしまう。ちょっと油断すると、すぐに楽な方に流れて行ってしまう。金や名誉や地位、堕落や享楽などの己の欲望にとらわれる。人生取り返しのつかない場所へと漂流してしまうわけだ。そこで、そうならないように、しっかりと神仏の羅針盤に頼らなければならない。

 

秋のお彼岸会では、■卒塔婆供養 ■ご詠歌の奉詠 ■御法話 がおこなわれます。先祖供養などの塔婆供養を希望される方は、申込用紙に記入の上、受付まで。→ <塔婆供養申込用紙>

 お彼岸とは、もともと「日願(ひがん)」と表記したのが始まりだそうで、農耕民族の日本人は、この一週間を古来よりとても大切な日とし、春は豊穣を祈り、秋は収穫を感謝。作物を育てる太陽に、自分たちを守る先祖に、自然界すべてに感謝してお供え物をお供えしていたそうです。また、この一週間を、お日様に願い、毎日の日照、天候、自然に感謝の気持ちを表す期間にしようと云うのが『日願(ひがん)』と考えられていたようです。
日本古来の民間信仰(宗教)が仏教伝来と合いまみえ、この『日願』と『彼岸』の教えとが融合して、日本独特の信仰のかたちをつくり上げてきたものと思われます。

 仏教の教義的な取り組みとしては、「六波羅蜜」(ろくはらみつ)といわれる6つの徳目が有名です。心の開放に向けて、少しずつ少しずつ、一歩一歩地道に、しかしながらその歩は確実に前進して、目的地までの距離を確実に縮めて行く歩み。こんなふうに目指す目標に近づいていくことそのもののを、「方便」(ほうべん)といいます。方便という言葉は、仏教用語なんです。「嘘も方便」みたいな便宜的な手段の意味、ではないんです。6つの徳目とは、布施・持戒・忍辱・精進・禅定・般若。これを日常の生活の中で実践できれば、安定した心の開放が可能になるというわけです。

 余談ですが、六波羅蜜は、六文銭と関係しています。亡くなられた方の持参する頭陀袋の中に入れる六文銭です。三途の川を渡るための渡し船の乗船チケット代が六文ほど必要なんですが、このことの裏側には、この世でどのくらい六波羅蜜の修行に勤めてきたかどうかに深く関わってくるそうです。要するに、生前中に、努めて信仰的生活(六波羅蜜行)を送った人には、この三途の川を難なく渡るための保証がある、というわけ。みなさん、円建て預金がいくらあっても、ドル建て預金があっても、三途の川のチケットは頂けそうもありません。死んでからは通用しないんです。・・・・・

日々の生活の中で、心の修養に勤めることこそ、かの岸(あの世)へ渡るための保証になるようです。

 

 

*注:一般には、

   六文銭とは、三途の川の渡し賃

  (死者に硬貨を六枚持たせた風習)

   のことで、現在は、紙で作られた一文銭

   を六枚準備して納棺する地域もある。

 

   あるいは、

   生きとし生けるもの(六道の衆生)

   がすべからく幸せであるようにとの願いを

   託したもの。

 

   六道=地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天

 

 

【開催日】  毎年 9月21日

【時  間】  午前 10時半から

【場  所】  潮音院 本堂

 

<塔婆供養申込用紙>

下の申込書画像を永押しまたは右クリックで画像を保存しご記入後本寺院まで郵送ください(持ち込み、FAXでも受け付けています)